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第75回 高校卒業式
3月9日(木)、暖かな日差しが降り注ぐ中、第75回 高校卒業式が行われました。
下級生も参加し、来場者のご案内や、演奏や、送辞を担当しながら、高校3年生の卒業を一緒に祝いました。
高校3年生の学年主任より、メッセージを紹介します。
3年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
振り返れば早いもので、もう高校生活最後の日を迎えてしまいました。
2020年3月、政府から全国の小中高校に対し一斉休校が要請されました。
本校の入学式は6月に延期になり、入学前に描いていた高校生活は誰もが思いもしない形でスタートすることになってしまいました。
もっと友達とおしゃべりしたい。
もっと部活を頑張りたい。
もっと勉強して力を伸ばしたい。
もっと学校行事を楽しみたい。
何から何まで出来ないことだらけで、ストレスもたまり、苦しいことの多かった3年間だったのではないでしょうか。
しかし、そんな中でも皆さんは出来ないことを嘆くのではなく、その時自分に出来ることを考えて行動してきましたね。
体育祭での選手宣誓のように「コロナで学校生活を思うように楽しめなかったかわいそうな世代」ではなく、「かけがえのない1日1日を大切に過ごし、困難な状況の中でも成長してきた世代」であると私たちは信じています。
なぜなら皆さん一人ひとりが様々な場面でそれを証明してきてくれたからです。
オンライン文化祭では素晴らしい作品を創り上げてくれましたし、100周年の中高合同体育祭では2年間の鬱憤を晴らすかのように力いっぱい躍動してくれました。
またクラブ活動では限られた練習時間の中で、どのクラブも最大限の成果を発揮しました。
何より進路においては各自が高い目標に向かって努力を続けてくれました。
それぞれの場面では笑顔だけではなく、時には悔し涙を流すこともありました。
その一つひとつを皆さんと一緒に共有することができた幸せは、私たちにとっても大切な思い出になっています。
明日からはそれぞれの道を歩んでいくことになります。それは成功ばかりが続く道ではないでしょう。
もしかするともっと大きな困難が待ち受けているかもしれません。
そして、周りからは成人として扱われることになります。
もう、高校生だと甘えてはいられません。
それでも人生は続いていくのです。
途中で投げ出すことも、誰かに代わってもらうこともできません。
どうか自分で考え、自分で行動してください。
不器用でも構いません。
自分が正しいと思ったことを諦めないでやりきる人であってください。
十文字高等学校の校歌は
「身をきたへ 心きたへて 世の中に たちてかひある 人と生きなむ」です。
将来皆さんの中から世界を動かすような人材が出てくるかもしれません。
それも素晴らしいことですが、私は一人ひとりがそれぞれの場所で、自分の言葉や行動で周りの人を幸せにすることが出来たのなら、同じくらいの価値があり、それこそが本当の意味での「世の中に立ちてかひある人」ではないかと思うのです。
ぜひ今のままの素直な心を失くさずに、今、あなたの周りにいる家族や友人を大切にしてください。
未来の自分を作るのは、今の自分でしかないのですから。
皆さんと過ごした3年間、笑ったり、怒ったり、共に悩んだりしました。それはそれで大変だったけれど楽しく幸せな時間でした。
本当に本当にありがとうございました。