「かひある人」として生きて行くために今なすべきこと
生徒の皆さんへ
いよいよオンライン授業が始まりました。初めのうちは教員も手探りで100%の完成度ではありませんので、そこはご容赦ください。日々の様子を見ていますと、教員も皆さんもびっくりするくらいのスピードでスキルアップしています。新しい取り組みに挑戦し、教員と皆さんが一緒になって作り上げていることを楽しみましょう。
さて、新入生の皆さんには本校のことなどを十分伝えられないうちに授業が始まりました。新入生ではなくても、このような授業は初めての試みですから、オンラインに関してのルールは徹底されていません。そこで、建学の精神に基づきオンラインに関していくつか大切なことをお伝えします。
生徒手帳の「生徒心得」に沿ってお話しします。
建学の精神
「身をきたへ 心きたへて 世の中に たちてかひある 人と生きなむ」
社会貢献、つまり他者の幸せに貢献できることこそが、自身の幸せたり得るという哲学的な詩です。その精神が全ての基本になっていますので、何か判断に迷ったときは、ここに立ち返ってください。また、誰かを幸せにするためには、心身共に健康であり続けることが欠かせません。そのために本校では創立以来、毎朝の自彊術体操を継続しています。
心構え
- 気持ち良く学習のできる環境と雰囲気を作り、積極的に学習に取り組みましょう。
- 視野を広げ自分を鍛える機会ととらえ、教科外活動にも意欲的に取り組みましょう。
- より良い友人関係を築き、共に人格の向上を目指しましょう。
- 常に気品のある行動と美しい言葉づかいを心掛け、誇りを持って行動しましょう。
授業に臨む気持ちや態度は学校にいる時と同じであるべきです。華美な服装や集中力を欠くような環境は避けて、授業に集中してください。学校で授業を受けるときを想像してもらえれば分かりやすいと思います。
授業だけでなく、今、自分には何ができるかを考えてください。新型コロナウィルスが社会全体に及ぼす負の影響は計り知れません。家族、友人の笑顔のために何ができるかを考えてみてください。
かつて、人と人との交流手段としてオンラインがここまで活用され、ネット情報の発着信がここまで求められた事はありませんでした。オンラインによる交流の需要は急速に高まり、モラルやルールがしっかり浸透していないように感じます。このような状況だからこそ、十文字生として上記の「心構え」を守ることを強く心がけてください。(常に)気品ある行動と美しい言葉遣いがネットではより一層求められます。
ネット社会は誰でも気軽に発信できるので、大変な危険も潜んでいます。ネットリテラシーのところでも紹介しましたが、個人情報をさらさない、他人の情報を勝手に使わない、S N Sのトラブルに巻き込まれない、など本当に気を付けてください。
また、他者への誹謗中傷は犯罪ですので、絶対にしてはいけません。誹謗中傷とは、誰かを傷つけることです。名前をあげなくても、情報が多ければ個人を特定できてしまいますので、名前を上げなければなんでもしていいと勘違いしてはいけません。学校の品位を下げるような言動もある意味で誹謗中傷に当たりますので、絶対にしてはいけません。たとえ本人は意識していなくても、不用意な発言や言動が他者を傷つける場合があることも忘れてはなりません。
ネットは上手に使えば大変便利なツールですので、恐れるばかりではいけませんが、十分気をつける必要があります。きちんとした理解とモラルを持って、良質なコンテンツを発信する力を身につけて欲しいと願っています。
今後は本校のホームページでも、できるだけ皆さんの活躍を紹介していきたいと思います。社会貢献につながる取り組みや、誰かを幸せにするアイディアなどがあれば先生に相談してください。「思い」を「行動」に移すことが大切です。ここで、今一度建学の精神に立ち返って、今何をなすべきか、何を学ぶべきかを一人一人が考えてください。自分を見つめる時間が十分にある今だからこそ、「かひある人」として生きていくことの意味を噛み締めて欲しいと思います。